
造園・外構コラム
ベランダガーデンとは?作り方・注意点・植物の選び方まで詳しく解説
目次
「自宅には広い庭がないけれど、緑を楽しむ暮らしを実現したい」「マンションや小さな戸建住宅でもガーデニングを楽しみたい」と考えている方はいませんか?
そのような方におすすめなのが、ベランダガーデンです。
ベランダに鉢やプランター、ラックなどを取り入れることで、庭がなくても植物を身近に感じられる空間をつくることができます。
一方で、ベランダは限られたスペースだからこそ、日当たりや排水、避難経路、室外機、重量などに注意しながら計画することが大切です。
この記事では、ベランダガーデンとは何か、注目される背景、植物の選び方、レイアウト、作り方、DIYと業者に依頼する場合の判断基準まで詳しく解説します。
ベランダガーデンとは?
ベランダとは、建物の外側に張り出した、屋根や庇(ひさし)のある屋外空間のことです。
ベランダガーデンとは、植物を取り入れてつくるベランダスペースのことで、広さに限りがある戸建住宅やマンション、アパートなどでも楽しむことができます。
地面に土がないベランダでも、プランターや鉢、ラックなどを活用することで、緑のある空間づくりが可能です。
参考: 日本生活環境支援協会 ガーデニングアドバイザー資格「ベランダガーデニングの基本とは?魅力やポイント・楽しみ方を解説」
ベランダガーデンが注目される背景
庭がない住宅でも植物を楽しめるベランダガーデンは、さまざまな背景から注目されています。
ここでは、元原稿で取り上げられている3つの背景をご紹介します。
自然が身近にある環境とメンタルヘルスとの関連が研究されているため
2019年にデンマークのオーフス大学などの研究チームが、1985年から2003年の間にデンマークで生まれ、10歳の誕生日にデンマークに居住していた943,027人を対象とした研究を発表しています。
研究では、子ども時代の居住環境における緑地の多さと、思春期から成人期にかけての精神疾患リスクとの関連が示されています。
都市部で暮らしていて身近に大きな庭や自然環境がない場合でも、ベランダガーデンなどを通じて植物を身近に感じられる環境をつくることは、暮らしの中に自然を取り入れる一つの方法といえるでしょう。
参考: PNAS「子ども時代の居住用緑地は、思春期から成人期にかけての精神疾患のリスクが低いことと関連しています」
住宅購入価格が高くなっているため


画像出典: 国土交通省 住宅市場動向調査「令和7年度 住宅市場動向調査 報告書」
2026年に国土交通省が公表した「令和7年度住宅市場動向調査報告書」では、土地を購入した新築注文住宅の購入資金について、平均値が7,646万円、中央値が5,100万円とされています。
住宅取得にかかる費用が大きくなるなか、敷地いっぱいに広い庭を設けるのではなく、限られた住空間を活用して植物を楽しむ方法の一つとして、ベランダガーデンを検討する考え方もあります。
ナチュラルライフ志向の人から支持されているため
ベランダガーデンは、暮らしの中に植物や自然を取り入れたいナチュラルライフ志向の方にも親しまれています。
Instagramでは、ベランダガーデニングや観葉植物のある暮らしについて発信するアカウントも見られます。
| アカウント | 概要 |
|---|---|
| RIKA / 観葉植物のある暮らし | ベランダガーデンから始まる緑のある生活について発信 |
| なほこ❁⃘*.゚ベランダガーデニング | マンションでベランダガーデニングを楽しむ様子について発信 |
| ぴーちゃん / 観葉植物インテリア&ベランダガーデン | 観葉植物の知識やベランダガーデン、ナチュラル系インテリアについて発信 |
上記のRIKAさんは、ABCテレビでも取り上げられており、ベランダガーデニングをテーマにした発信も行われています。
SNS上でもベランダガーデニングを楽しむ暮らしが発信されていることから、庭を持たない住宅でも自然を身近に楽しみたいというニーズがあることがうかがえます。
ベランダガーデンの作り方
ここからは、ベランダガーデンの作り方を5つのSTEPに分けてご紹介します。
- 事前確認を行う
- ベランダガーデンを作る目的を明確にする
- 取り入れる植物を決める
- レイアウトを考える
- DIYで行うか業者に依頼するかを決める
【STEP1】事前確認を行う
ベランダガーデンを作る前に、まず現在のベランダ環境を確認しましょう。
| 確認項目 | 確認理由 | 留意点 |
|---|---|---|
| ベランダの方角 | 植物にとって適した日照環境かを確認するため | 東向き:午前中に日が差し、午後は日陰になりやすい 南向き:日照時間が長く、夏は高温になりやすいため注意 西向き:強い西日や熱のこもりに注意 北向き:日照時間が短いため、日陰に比較的強い植物を検討 |
| 避難経路 | 緊急時に安全に避難できる状態を保つため | 居室から避難経路への動線を必ず確保する |
| 排水溝の位置 | 雨水や水やり後の水を適切に排水するため | 鉢や家具などで排水の動線をふさがない |
| 室外機の位置 | 室外機から出る風で植物が傷むのを防ぐため | 室外機の風が直接当たる場所への設置を避ける |
| 洗濯物を干すスペース | 日常生活に必要なスペースを確保するため | 植物を置いた後も洗濯物を干せるか確認する |
| 集合住宅の利用規約 | 設置できる物や使用方法に制限がある可能性があるため | 管理規約や使用細則、重量・固定方法などを事前に確認する |
特に重要なのが、避難経路と日常生活の動線です。
集合住宅のベランダでは、避難ハッチや隔て板などが設置されている場合があります。植物や家具などで避難経路をふさがないようにしましょう。
【STEP2】ベランダガーデンを作る目的を明確にする
次に、「ベランダをどのように使いたいか」を家族で整理します。
以下のような質問に答えていくと、必要な植物や家具、レイアウトを考えやすくなります。
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| ベランダガーデンを誰が使う? | 家族全員 |
| ベランダガーデンで何をしたい? | 植物を育てたり、椅子に座ってお茶を飲んだりしたい |
| どんな植物を育てたい? | 子どもと一緒に野菜やハーブを育てたい |
| どんな空間にしたい? | 緑が多く、リビングから見ても落ち着ける空間にしたい |
| 特に重視したいことは? | 毎日の手入れは難しいため、管理のしやすさを優先したい |
目的を一つだけに絞る必要はありません。
「植物を育てたい」「くつろぎたい」「リビングからの景色をきれいにしたい」など、家族それぞれの希望を出したうえで優先順位を決めると、使いやすいベランダガーデンにしやすくなります。
【STEP3】ベランダガーデンに取り入れる植物を決める
STEP1で確認したベランダの方角と、STEP2で整理した目的をもとに、育てる植物を決めましょう。
植物を選ぶ際は、見た目だけでなく以下の条件を確認することが大切です。
- 必要な日照時間
- 暑さ・寒さへの強さ
- 乾燥への強さ
- 成長後の大きさ
- 必要な水やりの頻度
- 剪定や植え替えなどの管理方法
NHK出版「みんなの趣味の園芸」では、植物名だけでなく「ハーブ」「野菜」「花の色」「日陰でも育つ」といった条件から植物を探すことができます。
参考: NHK出版 みんなの趣味の園芸「育て方がわかる植物図鑑・花図鑑」
【STEP4】レイアウトを考える
植物を決めたら、ベランダ全体をどのように使うかレイアウトを考えます。
| 手順 | 概要 |
|---|---|
| ベランダをゾーニングする | 植物を育てる「ガーデニングゾーン」、水やりや移動を行う「作業・動線ゾーン」、洗濯物や室外機などの「生活ゾーン」に分けて考えます。 |
| 植物を高さと日当たりで分類する | 背の高い植物を奥側、低い植物を手前側にすると立体感を出しやすくなります。ラックやスタンドで高さを変える方法もあります。 |
| ベランダの使い方に合わせて配置する | 水やり・観察・くつろぎなど、目的に応じて植物や家具を配置します。 |
| 見た目を整える | 鉢やプランターの色・素材をそろえたり、同じ種類の植物をまとめたりすると統一感を出しやすくなります。 |
例えば、「家族で植物を育てたい」場合は、水やりや観察がしやすい場所に植物をまとめます。
「ベランダでお茶を飲みたい」という場合は、植物だけでスペースを埋めず、椅子やテーブルを置ける場所も確保しましょう。
【STEP5】DIYで行うか業者に依頼するかを決める
最後に、ベランダガーデンを自分で作るのか、専門業者へ依頼するのかを判断します。
| 項目 | DIY向き | 業者への依頼向き |
|---|---|---|
| 作業内容 | 市販の鉢・プランター・ラックなどを置くだけ | ウッドデッキ、フェンス、目隠しなどを設置したい |
| ベランダの状態 | 床や排水などに問題がなく、そのまま使用できる | 防水の劣化、ひび割れ、排水不良などが気になる |
| 重量 | 軽量な鉢やプランターを少量置く | 大型プランター、大量の土、石など重量物を多く使用したい |
| 加工・固定 | 工具を使わず、市販品を置くだけ | 床・壁・天井への固定や加工が必要 |
| 規約・安全面 | 設置場所や方法に特別な制約がない | 管理規約、避難経路、避難ハッチなどへの配慮が必要 |
特に判断のポイントになるのが、「建物への加工や固定が必要かどうか」です。
鉢やラックを置くだけであればDIYでも取り組みやすいですが、床・壁・天井への穴あけや金具の固定、防水層に影響する可能性がある施工などは、安易にDIYで進めない方が安心です。
また、集合住宅では施工そのものが管理規約によって制限されている場合があります。必ず事前に管理会社や管理組合へ確認しましょう。
ベランダガーデンで失敗しないためのポイント
ベランダガーデンは限られたスペースだからこそ、植物をたくさん置けばよいわけではありません。
長く楽しめる空間にするためには、次のポイントを意識しましょう。
- 避難経路や避難ハッチをふさがない
- 排水溝を鉢や家具でふさがない
- 室外機の風が直接植物に当たらないようにする
- 強風で鉢や家具が転倒・飛散しないようにする
- 重量のある鉢や土を増やしすぎない
- 植物の成長後のサイズまで考えて配置する
- 日常的に水やりや手入れができる動線を確保する
特にマンションやアパートの場合は、戸建住宅とは条件が異なります。管理規約や建物の条件を確認したうえで、安全に楽しめる範囲で計画することが重要です。
本格的なベランダガーデンづくりに取り組みたい方は緑地開発にご相談ください
本格的なベランダガーデンづくりに取り組みたい方は、緑地開発にご相談ください。
緑地開発では、造園会社だからこそできる「緑が主役の空間づくり」を大切にしており、それは限られたスペースで行うベランダガーデンでも変わりません。
単に植物を並べるのではなく、日当たりや動線、管理のしやすさ、住まいからの見え方などを考えながら、ご家族が楽しく過ごせる空間づくりをご提案します。
「植物だけでなく目隠しやデッキも組み合わせたい」「どんな植物を選べばよいかわからない」「自分たちで管理しやすい空間にしたい」といったご相談も可能です。
詳しいご相談・お見積もりは、 造園・外構の無料相談・見積り|緑地開発 よりお問い合わせください。
まとめ
ベランダガーデンとは、植物を取り入れてつくるベランダスペースのことで、広い庭がない住宅でも緑のある暮らしを楽しめる方法です。
鉢やプランターを置くだけなら比較的手軽に始められますが、ベランダでは日当たり、排水、避難経路、室外機、重量、管理規約などを確認しておく必要があります。
まずは「ベランダで何をしたいか」を明確にし、その目的に合わせて植物やレイアウトを決めていきましょう。
ウッドデッキやフェンス、目隠しなどを含めた本格的な空間づくりを検討している場合は、DIYだけで判断せず、専門業者へ相談することもおすすめです。
この記事も参考にしながら、家族が心地よく過ごせるベランダガーデンづくりを検討してみてください。


